編集長 伊集院光の一言 「自分はつくづく自己中心主義だな」と思ったのは、今回の発泡酒の増税のニュースを見ていた時のこと。愛飲者の方々のお怒りを恐れずに書けば「一缶あたり10円でしょ、別にどうでもいいや」と思った。一方、同じ枠で放送されていた「健康増進法(私鉄各社が全ての駅から喫煙所を撤去ってやつ)」のニュースにはキレまくりだった。要は「僕はタバコを吸うけど、酒はそんなに飲まない」ということだ。理論武装をして「健康増進法」についての異議を書き連ねることも出来るが、結局のところどんな理屈を言ったところで表向きに語られる「権利と平等」とかより、僕の根底にある「自分が損するのが嫌」というところが一番大きくなる。 男女の平等を声高に唱える人がいる(それ自体には異議はなし)。ミスコン廃止、スチュワーデスという呼び方の禁止、相撲の土俵に女性を、いろんなテーマで論じられているようだが「パチンコ店のレディースシートはけしからん」という話は聞かない。「毎週水曜日はレディースデイにつき女性のみ映画料金半額」というサービスに「この料金体系は同じ座席に座って理解力にも差がない我々女性を舐めているのか!?断固として一般料金を払う!」という人を見たことがない。 自分に損が出るにもかかわらず、純粋な主張が出来る人はまれだ。 かく言う僕も食べ放題の料金を多めにおいていったりはしない。タイヤの減りやシートのヘタリ、燃料の減り具合から考えてタクシーの体重別料金制が敷かれたとしたら理屈的には十分に納得できてもその会社の車にはなるべく乗らない。結局僕の正義感だの公平感だのはそんな程度か。 でも、今回の健康増進法は冷静に見ても、、、やめとこう。 (以上、全文696文字÷テーマ「自己中心的」5文字、139倍返しでお送りしました。) バックナンバーへ募集中! 7文字で50倍返し! 戻る